がん、心筋梗塞や脳卒中、神経難病など、命を脅かすご病気を患った方が、痛みやその他の辛い症状を和らげて、穏やかに生活できるようにサポートする治療を緩和医療といいます。そして身体的、精神的な苦痛をやわらげるためのケアのことを緩和ケアといいます。

 

がんと診断され、無事に治療を終えられた方でも、手術したところが痛む、なんとなく元気が出ない、体がだるい、食欲がない、体がむくむ、不安で夜眠れない、などの症状に悩むことがあります。緩和ケアは、痛みなどの様々なつらい症状を取り除くことを始めとして、食事を楽しめるようにしたり、夜によく眠れるようにしたりといった、日常生活を取り戻すようケアを行います。具体的にはクリニックでお薬を処方したり、生活指導を行ったりします。

 

緩和ケアは末期がん患者さんにのみ必要なものであるというわけではなく、がんと診断された時から、患者さんにがん治療と同時に行われるべきものです。早期から緩和ケアを受けることにより、緩和ケアを受けない場合と比べてより寿命が長くなるという研究結果もあります。特にがん診療においては、がんそのものに対する治療を終えた後も、患者さんの体調管理や症状緩和を行うことがとても重要です。

 

患者さんはそれぞれご不安を抱えていらっしゃることと思います。大きな病院ではなかなかご相談しにくいこともあるかもしれません。当院では治療後の患者さんのご不安を取り除き、安心してその後の生活を送れるようサポートしていきたいと考えています。どのようなことでも、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。