泌尿器科のがん
泌尿器科のがん
10万人中約6人、50-70歳台に多くみられ、女性より男性の方が2-3倍多いと言われています。早期の腎がんは無症状であり、健診でのエコー検査やCT検査で見つかることが多いです。腎の腫瘍の中には良性のものも多くあり、前述の画像検査で診断できるものもありますが、手術後の病理診断で判明することも少なくありません。治療としては症例に応じた手術、内服薬や点滴による分子標的薬の治療などが挙げられます。
腎から排出された尿は腎盂、尿管を流れていきます。その尿の通り道にできるがんを腎盂・尿管がんと呼びます。50-70歳台に多く、女性より男性の方が2倍以上で頻度が高いと言われています。喫煙とこのがんとの関連は以前から知られていて、喫煙者は非喫煙者と比べて3倍のリスクがあると言われています。症状として多いのは肉眼的血尿で、腫瘍により尿路が閉塞すると、側腹部痛を生じることもあります。無症状で健診のエコー検査などで発見される場合もあります。症例に応じた手術や化学療法により治療します。
高齢の男性に多く、喫煙者が非喫煙者と比べて発症リスクが2〜4倍高いと言われています。血尿(肉眼的、顕微鏡的)を契機に見つかることが多く、腫瘍の大きさや部位によっては頻尿、排尿時痛、残尿感などの膀胱刺激症状を呈することもあります。尿検査やエコー検査、膀胱鏡検査などで診断します。病期によって、内視鏡による切除術や開腹手術、放射線治療、膀胱内注入療法、点滴治療などが選択されます。
尿膜管は胎生期にある膀胱と臍をつなぐ管腔で、通常は出生後に自然に閉じますが、一部は内腔が開存した状態で遺残し、そこから発生したがんのことを言います。血尿をきっかけに見つかることが多く、膀胱がんのうちの1%以下で、頻度はまれです。必要な検査は膀胱がんとほぼ同様で、治療は手術、化学療法などが挙げられます。
泌尿器科で扱う中でもまれながんです。65歳以上に多く、女性が男性より2-3倍多いと言われています。血尿や陰部の出血、排尿障害などが症状として挙げられます。膀胱鏡検査で尿道を観察し診断します。治療は手術、放射線、化学療法などが挙げられます。
高齢者に多く、男性のがんの中でも近年増加傾向にあります。自覚症状を認めないことが多く、検診で前立腺特異抗原(PSA)の異常をきっかけに医療機関を受診し、診断されることが多くあります。血液検査や腹部エコー検査、MRIなどの画像検査、生検による病理診断を行います。治療としては手術、放射線、内服薬、点滴によるものなどが挙げられます。年齢、既往歴、日常生活動作のレベルなどを踏まえた上で、病期に沿って治療方針を決定します。
20-40歳台に多く、精巣が硬い、大きいことに気がついて見つかります。痛みを伴うことはほとんどありません。リンパ節や肺に転移することが多いことで知られており、診断には血液検査やエコー検査、レントゲン、CTなどを行います。治療はまず手術で腫瘍を摘除して病理診断を行います。血液検査、画像検査結果と併せて診断し、病期によって放射線治療や化学療法を行います。
60歳前後に多いのですが、泌尿器科のがんの中でも頻度は少ないとされています。真性包茎、外陰部の不潔、ウイルス感染などが発症に関連していると言われています。亀頭や包皮などが赤い、硬い、潰瘍ができたといったことで気づかれます。必要に応じて病変部の生検をすることがあります。さらにリンパ節に転移することが少なくないため、その他画像検査などを行います。手術が主な治療として挙げられます。
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