上部尿路閉塞について
- 2025年5月19日
- 泌尿器疾患
尿路とは、尿が腎臓で作られ、尿道から体外に排出するまでの通り道を言います。腎臓から尿管を上部尿路、膀胱から尿道を下部尿路と分類します。上部尿路閉塞は、尿路の結石やがんなど、何らかの尿路内の病変により、尿の流れが妨げられると起こります。頻度は高くはないですが、尿路外の病変によっても上部尿路の閉塞は起こります。こちらは骨盤内腫瘍(子宮がん、卵巣がんなどの婦人科がんや大腸がんなど)や、がんの転移などによるリンパ節の腫大が原因となります。
尿路結石が嵌頓することにより急に尿路閉塞が生じた場合には、側腹部の痛みを生じることが多いですが、がんの進行、転移が原因の場合には、徐々に閉塞を生じることが多いため、痛みを自覚しないことがあります。両側の尿管に閉塞を生じた場合には、腎不全となり、倦怠感や尿量の減少、浮腫などの症状をきたします。自覚症状がないまま、血液検査で腎臓の機能が悪化していることから上部尿路の閉塞が見つかることもあります。治療を行い閉塞を解除して、腎機能を回復、温存することが必要となります。閉塞をきたす原因となっている疾患、閉塞部位により、治療法は変わってきます。