血尿について
- 2024年6月23日
- 泌尿器疾患
今回は血尿についてお話しいたします。
血尿には、目で見て赤い血尿(肉眼的血尿)もあれば、見た目はきれいなのに、健康診断や病院での尿検査などで言われる血尿(顕微鏡的血尿、尿潜血)もあります。血尿を生じる原因として、尿路の炎症、結石、腫瘍などが挙げられます。尿路以外では、肝臓系の病態が原因で血尿を生じることもあります。背中や下腹部に痛みがあるかどうか、排尿時に痛みを生じるかどうか、残尿感(排尿が終わった直後に尿がまだ残っている感覚)があるかどうかなど、血尿以外の自覚症状の有無により、鑑別すべき疾患が異なります。また尿潜血だけでなく尿蛋白も検出されるかどうかによっても、疾患が変わってきます。検査を行い、いずれにも当てはまらない場合、原因不明の(治療の必要のない)血尿ということになります。検査内容としては、尿検査や血液検査、レントゲンやエコー検査などを行います。
目で見て血尿(赤い、ピンクがかった、コーヒーのような、など)に気がついた場合、まずは水分を多めに摂取して、尿量を十分に保つようにしてください。肉眼的血尿をきたす原因疾患の中には、早期の精密検査や治療が必要な疾患もありますので、早めに医療機関を受診するようにしてください。