膀胱炎について① 〜原因〜
- 2022年5月9日
- 泌尿器疾患
膀胱は下腹部(おへその下あたり)にある、腎臓で作られた尿を溜める臓器です。尿の中(膀胱の中)には、基本的に細菌がいないのですが、細菌が膀胱内に侵入し繁殖すると、膀胱に炎症をきたします。この状態が一般的な膀胱炎という病気です。今回はその原因についてお話ししたいと思います。
男性は陰茎(ペニス)がある分、尿道が約18cmと長めなのに比べて、女性の尿道は約3cmと短いために、尿の出口から大腸菌などの腸内細菌が膀胱内に侵入しやすい構造となっています。この解剖学的理由により、男性よりも女性の方が膀胱炎になりやすいです。
〜どうして膀胱炎になるのか〜
前述の解剖学的理由に加えて、
1.排尿を我慢する
2.陰部が清潔でない
3.免疫力が低下している
などの原因が挙げられます。
1.排尿を我慢していると、または、尿量が少なく排尿の回数が少ないと、陰部にいる細菌が尿道を伝って膀胱内に侵入しやすくなります。お仕事などの都合で、自分の行きたい時にトイレに行けない方や、適度な水分を摂る習慣のない方は、膀胱炎になりやすくなります。
2.陰部は体毛が生えていることと汗が出ることで、常に蒸れやすい状態です。尿や便を排出する部分でもあり、容易に不潔になり得るため、膀胱炎の原因となる細菌が繁殖しやすいです。
3.過労、ストレス、冷え、睡眠・栄養の不足は、身体の抵抗力が落ちる原因となります。免疫力が低下すると、侵入した細菌を退治できず、感染につながります。
これらの原因を知り、日々気をつけることで、ある程度、膀胱炎を予防することができます。
次回は予防について詳しく述べたいと思います。