前立腺癌の放射線治療と排尿障害について
- 2025年4月28日
- 泌尿器疾患
先月は前立腺癌の手術後の排尿障害についてお話ししましたが、今回、前立腺癌に対する治療法のもう一つに挙げられる、放射線治療の後の排尿障害についてお話しいたします。
前立腺癌に対する放射線治療中、治療後の尿路症状は、50%ほどの確率で起こると言われています。多くは放射線治療後12週間以内に改善します。症状を軽減するには、まず生活習慣の是正として、適切に水分を摂取することやアルコールやカフェインの接収制限が挙げられます。尿失禁に対しては骨盤底筋体操も有効であると言われています。症状が強い場合には、排尿障害の程度を評価して、症状を軽くする内服薬を処方することもあります。また晩期障害と言って、放射線治療後数年経過してから、そういった排尿の症状が出る場合があります。いずれにしても、症状の種類、排尿障害の程度により、適切に治療を行えば改善することも多いので、我慢せずにどうぞお気軽にご相談ください。