いつまでも生き生きと暮らすために
- 2022年12月29日
- その他
2021年の日本人の平均寿命は、男性約81歳、女性約88歳ですが、健康寿命は男性約73歳、女性約75歳といわれています。これは人生の後半に来て、要介護状態が何年も続くことを意味しています。75歳未満の要介護状態の割合は約6%である一方、80歳代になると約30%と急増します。
そこで注目されるのがフレイルです。人は年を取ると段々と体の力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも、手助けや介護が必要となってきます。そのように心と体の働きが弱くなってきた状態をフレイルと呼びます。英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源で、日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味します。「加齢により心身が老い衰えた状態」で、健康と要介護の間の状態を指します。体力・筋力の低下、判断力・認知機能の低下、買い物に出るのもおっくうになる活動性の低下、人と接する機会の減少、食生活のバランスの低下などを生じ、身体の衰えだけでなく、心や社会生活の衰えなども関わっています。
フレイルの状態ですと、何らかの病気にかかりやすくなったり、入院したりするなど、ストレスに弱い状態になっています。例えば健常な人が風邪をひいても、体の怠さや発熱を自覚するものの、数日すれば治りますが、フレイルの状態ですと風邪をこじらせて肺炎を発症したり、怠さのために転倒して打撲や骨折をしたりする可能性があります。転倒による打撲や骨折、病気による入院をきっかけに、フレイルから寝たきりになってしまうことがあります。
健康寿命を延ばして、いつまでも生き生きと暮らすには、フレイルを予防することが重要です。フレイルは自分の状況を知り、適切な対応をとることで、衰えの進行を遅らせたり、状況を改善したりすることも可能とされています。
当院では、フレイル予防のための治療をご提案させていただくことができます。何らかの自覚症状を感じている場合など、どうぞお気軽にご相談ください。