上部尿路閉塞について(尿管ステント)
- 2025年6月23日
- 泌尿器疾患
前回、上部尿路閉塞の原因や症状等についてお話しいたしましたが、今回はその対応方法についてお話しします。
上部尿路閉塞を疑った場合、まずは尿路のどの部位で閉塞をきたしているかを評価します。その閉塞を解除すれば、腎機能が回復する可能性があります。閉塞を解除する方法として、代表的なものに尿管ステントと腎瘻カテーテルが挙げられます。尿管ステントは膀胱鏡とX線透視を用いて、ステントの両端を腎盂と膀胱にそれぞれ留置して、尿管の狭窄を解除し尿流を確保する方法です。
長所として、カテーテルが体内に留置されるため、意図しない抜去などの危険性が低いことが挙げられ、定期交換の間隔が数ヶ月からステントの種類によっては一年程度であり、交換の負担が少ないことが挙げられます。
逆に短所として、ステントが異物であり膀胱内に存在することにより、感染や結石付着の原因となったり、刺激のため頻尿や排尿時痛などの症状が出たりすることが挙げられます。
個々の上部尿路閉塞の患者様にどの処置が適しているか、ケースバイケースですので、診察し、検査結果などを診て判断します。腎瘻カテーテルについては、次回以降お話しする予定です。